日本帝国陸海軍無線開発史

大西成美氏の「本邦軍用無線技術の概観」をベースに資料追加

4-1 大正年代に制定されたもの

4.陸軍各制式無線機の概説
4-1 大正年代に制定されたもの
 4-1-1 乙種移動式無線電信機
 4-1-2 Y型機上用送信機及びA型地上受信機
4-2-1 15年式乃至88式各種機材
真空管第一次大戦中実用化されるに及んでこれを送、受信に使用し、軍無線の要求する小型、軽量化が可能となったので、これを正式兵器として採用されたのが此の一連の機材であり、15年式、87式、88式と名称がつけらりているが、何れも英、仏国制式無線機のデッドコピーである。
所謂長波を使用し、殆ど電信専用、真空管は勿論3極管のみであって、1号機の送信菅を除き、他はすべて送、受信とも1号型真空管というフレンチ型(UFソケット)を唯一種使用、送信電力を増大するためにはこれを多数並列に使用して送、受信機が一体として構成されているのが此種無線機の特徴である。
これ等の無線機は、昭和11年に至って94式各機が制定されるまで、実に永きにわたって使用された。
このため或はラジオ放送の周波数帯が制限をうける等の事態を発生したが、満州事変等においては実戦にも参加しているのである。
  4-2-1-1 87式(15年式)1号無線電信機
  4-2-1-2 15年式2号無線電信機
  4-2-1-3 15年式3号無線電信機
  4-2-1-4 15年式4号無線電信機
  4-2-1-5 15年式5号無線電信機
  4-2-1-6 87式6号無線電信機
  4-2-1-7 87式対空用1号無線電信機
  4-2-1-8 87式対空用2号無線電信機
  4-2-1-9 87式飛行機用1号無線電信機
  4-2-1-11 88式飛行機用3号無線電信機